予備試験29年10問(民法)肢イを検討する 第5回 原状回復請求権と同時履行(546条,533条)その1

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年10問(民法)肢イを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験29年第10問(民法)肢「イ.売主が目的物を引き渡し,買主が代金の一部を支払った場合において,債務不履行を理由に売買契約が解除されたときは,売主の目的物返還請求権と買主の代金返還請求権とは,同時履行の関係にない。」を検討していきましょう。

この肢は,正しいですか,間違ってますか。

東花子さん

間違ってますね。

そうですね。どうしてでしょうか。

考えている

条文がありますね。

(契約の解除と同時履行)
民法第546条
第533条の規定は、前条の場合について準用する。

(同時履行の抗弁)
民法第533条
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。

なるほど,確かにその通りですが・・・。

東花子さん

はい,おそらく,ただ知っているだけですね。

はい,なので,意味を確認していく必要があります。
どうして,わざわざ規定があるのでしょうかね。

考えている

うーん,条文がないと問題が生じるからでしょうか。

そうですね,抽象的にはあってます。どういった問題が生じるのでしょう。

東花子さん

あまり考えたことありませんね。

まあ,そうでしょう。こういう時は,原則から筋を導きましょう。
まず,解除の効果はどうなりますか。

東花子さん

なるほど,遡求効か将来効かは明文にありませんが,当事者の合理的意思を尊重して遡及効と理解されてます。(直接効果説)

いいですね。ということは,売主の目的物返還請求権と買主の代金返還請求権は,どういうことになりますか。

考えている

はい,原状回復義務(545条1項)に伴うものになります。

そうですね。そして,原状回復は,一種の不当利得返還義務の性質を持ちます。
この両債務は「双務契約」に基づくものではないですね。

東花子さん

確かに,双務契約は解除により遡及的に消滅してますからね。

その通りです。なので,同時履行になるのかという疑問が生じるのでしょう。
特に,債務不履行の場合,債務者が原因を作っているので,解除を行使した債権者は,お前(債務者)が先に戻せといいたくなるところです。

東花子さん

なるほど,債権者の気持ちも分かります。

しかし,条文にある通り,そのようには考えていないようです。
どうしてでしょうかね。

東花子さん

うーん,少し考えさせてもらってよいですか。

そうですね。ぜひ,やって見てください。結局,利益状況を意識しないと,ただ,暗記する量が増えるだけです。
この条文を例にして,考える視点を学んでいきましょう。では,今日も時間となりましたので終わりします。この続きは,また明日お楽しみに。



あなたの,1票が日々の力となります。ぜひ,お役立ていただいた際には,クリックにて応援のほど,よろしくお願いします。

広告
カテゴリー: 債権総論, 平成29年, 平成29年, 民法, 民法・商法・民事訴訟法 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中