予備試験29年8問(民法)肢エを検討する 第8回 債権譲渡通知と確定日付の通知(大連判大8.3.28) その2

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年8問(民法)肢「エ.債権が二重に譲渡され,第一の債権譲渡について譲渡人が債務者に対して確定日付のある証書によらずに通知をした後に,第二の債権譲渡について譲渡人が債務者に対して確定日付のある証書による通知をした場合,第一の譲受人は債権の取得を債務者にも対抗することができない。」を検討することになりました。
結論は,正しい。また,確定日付のある証書による通知を優先すべき必要性はわかったのですが,法的に整合性を取ってほしいとなったのでした。

では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,続きをいきましょう。改めて条文を載せておきます。

(指名債権の譲渡の対抗要件)
民法第467条
1.指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2.前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

結局,467条2項の確定日付のある証書による通知を,通常の通知より優先すべきということはわかりました。
どう説明するか考えられましたか。

考えている

うーん,よく分からなかったです。

そうですね。こんなことまで,考えませんからね。

東花子さん

はい,そう思います。

こういうよく分からないときは,論理を守って説明をすれば,一応は大丈夫のように思います。

東花子さん

なるほど,プロセスを示すことが大事なんですね。

そうですね。今回の場合は,「確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない」と書いてありますが,この規定が,なぜあるかを自分なりに特定して,説明を試みると良いでしょう。

東花子さん

わかりました。結局,467条2項は,確定日付のある証書の通知を,通常の通知よりも強化したということでいかがでしょうか。債務者以外の第三者にも対抗力できる範囲を広げているので。

いいですね。そうしないと,わざわざ確定日付をしてまで通知した意味がなくなりますから・・・。
そう考えると,467条2項の通知は,第三者だけではなく,通常の通知(467条1項)の効果も含まれるとするのでしょう。
また,467条1項は,467条2項の通知がない場面の適用を予定しているとも説明できるでしょう。

考えている

これで,とりあえずは,大丈夫でしょうか。

そうですね,苦しいですけど一応,法的整合性を取ろうとする姿勢が伺えると思います。
とにかく,条文を見て説明を試みることが大事です。論理をもって考えることを意識しましょう。

東花子さん

わかりました。条文を見るということが大事ですね。

はい,条文から離れると,どんどん間違った方向にいくので気を付けましょう。
では,今日はここまでとします。この続きはまた明日,お楽しみに。



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