予備試験29年7問(民法)肢オを検討する 第7回 民法591条1項を考えよう(大判昭5.1.29) その1

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年7問(民法)肢オを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験29年第7問(民法)肢「オ.期限の定めのない金銭消費貸借契約の借主は,貸主が相当の期間を定めずに催告をしても,相当の期間を経過した時から履行遅滞の責任を負う。」を検討していきましょう。

この肢は,正しいですか,間違ってますか。

東花子さん

正しいですね。

そうですね。どうしてでしょう。

考えている

判例があるようです(大判昭5.1.29)。

なるほど,良くご存知ですね。でも,それだと結局,忘れたらアウトですね。

東花子さん

はい,そう思います。

なので,しっかり意味づけをしていきましょう。

東花子さん

よろしくお願いします。

まず,問題の所在は,わかりますか。

考えている

うーん,条文でしょうか。

そうですね。確認して見ましょう。

(返還の時期)
民法第591条
1.当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。
2.(略)

591条1項よれば,「相当の期間を定めて返還の催告することができる」とあります。
本件は,相当の期間を定めずに催告をしているので,法律の文理に反してます。

東花子さん

確かに,そのようです。

なので,催告そのものが法律に反しているので,無効ではないかという問題が生じます。

東花子さん

そう思います。ただ,判例の結論を踏まえると,そうは考えていないようです。

どうしてでしょう。

考えている

うーん,催告が無効だと,貸主が有効するために相当の期間を定めて改めて催告しなければいけなくなります。このことは,手続的に煩雑だと思いました。

そうですね。また,催告を無効とすると,借主は貸主から返還の意思の通知を受けているのに返さなくても,遅滞にならないことになります。

花子さん

まあ,位置づけとして催告がないとの同様になりますからね。

はい,ただ,貸主としては言い方が少し足りないだけで,これら不利益を受けるのは負担が大きいように思います。

考えている

そうですね。なので,相当の期間を定めずに催告をしても,催告そのものは有効とする必要がある。

まあ,それが,結論として求められるのでしょう。ただ,それだと不十分です。

東花子さん

591条1項との,整合性を図る必要があるということですね。

いいですね。どう説明しましょう。

東花子さん

うーん,どうでしょう。

なるほど,そうですか。ここは,しっかり考えてもらいたいですね。なので,ここで一旦切りましょう。

東花子さん

わかりました。キチンと理解することが大事ですから・・・。

そうですね。ぜひ,頑張ってみてください。それでは,今日はここまでとします。この続きは,また明日お楽しみに。



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