こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年7問(民法)肢エを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,予備試験29年第7問(民法)肢「エ.AがBに建物を賃貸し,BがAの承諾を得てCに同建物を転貸した場合において,AB間の賃貸借契約がBの債務不履行を理由とする解除により終了したときは,AがCに建物の返還を請求しても,Aが転貸借を承諾していた以上,BC間の転貸借契約におけるBのCに対する債務は履行不能とはならない。」を検討していきましょう。
この肢は,正しいですか,間違ってますか。
そうですね。どうしてでしょう。
なるほど,それだと,ただ結論を知っているだけで,忘れたら即アウトですね。
なので,しっかり意味づけをしていきましょう。
まず,本件のように,AB間の賃貸借契約が債務履行により解除された場合,BCの転貸借契約はどうなりますか。
なるほど,確かに,解除されると存立基盤が失われますからね。ただ,契約関係は,相対効です。賃貸借契約と転貸借契約はあくまでも,別契約です。
いろいろな考え方があるようですが,それで大丈夫でしょう。他人物賃貸借も債権的に有効です。これらも踏まえると,当事者間では契約関係が終了しないこともイメージできるでしょう。
それでは,いつBのCに対する債務が履行不能になるのでしょう。
その通りですね。どうしてでしょうか。
なるほど,それだと暗記的になります。では,一緒にそこを考えていきましょう。
まず,契約終了後,BはCのために転貸人としての義務を履行できそうですか。
そうですね。AもBとの契約解除後,新たな賃借人を探すのが面倒な時に,Bが反省して賃料を払ってくれれば再度契約することはありえます。
はい,そしてAB間で再契約さえ結べれば,かつてAはBに転貸の承諾していたのだから,Bは転貸人としての義務を果たすことができそうです。
しかし,ここまで踏まえて,AがCに対して建物を返還請求した際はどうでしょう。
そうですね。0ではないので,履行「不能」ではないといいたいのでしょうが,AはCに返還請求を行っている時点で,転貸借を前提としたBとは,再契約をしないという意思が外形上あらわれていると見れそうです。
したがって,この時点で,BのCへの債務が社会通念上履行不能となります。
はい,ここは本当にイメージをしないとわからないと思いますので,ぜひ意識してみましょう。それでは,今日は,ここまでとします。この続きは,また明日お楽しみに。