こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年7問(民法)肢「ウ.AB間で売買契約が締結され,Aが債務不履行に陥っている場合において,AがBに対して相当の期間を定めて契約を解除するかどうかを確答すべき旨の催告をしたにもかかわらず,Bがその期間内に解除の通知をしないときは,Aは,以後債務不履行責任を負わない。」を検討することになりました。
547条で解除権は消滅するようです。「解除権」と「債務不履行責任」で,制度が違うので,債務不履行責任は負うという結論は分かったのですが,「それだと条文忘れたら困りますでしょ。」キチンと意味を確認しないと,という議論になったのでした。
では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。547条の意味を考えてこられましたか。
わかりました。早速初めて行きましょう。条文も載せておきます。
(催告による解除権の消滅)
民法第547条
解除権の行使について期間の定めがないときは、相手方は、解除権を有する者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に解除をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する。
結局なぜ,このような制度があるのでしょう。通常,解除権は債務不履行ならない(541条,543条)と発生しません。債務不履行をしている債務者が悪いので,わざわざ債務者を催告の制度で保護する必要はないんじゃないですか。
そうですよね。なのに,なぜ催告を認めているかを考える必要があります,どうでしょう。
なるほど,方向性はあってますが,もう少し考えてみたいですね。
そうですか,では,少し質問しましょう。解除権が行使されると,その後,どうなるでしょう。
いいですね。そうすると,解除権の行使が遅れた場合,どうなるでしょう。考えて見てください。
その通りです。解除権の行使が遅いと,債務者に余分な負担発生します。なので,催告によって権利関係の早期確定を図っています。
いいですね,この辺りをイメージしていないと,解除権が催告で消滅することを分からないと思います。
そうですね。契約をしている以上,債務者は債務を履行すべきです。解除権を遅く行使されて余計に困るのとは意味が違います。ぜひ,この機会にイメージをしておきましょう。それでは,今日は,ここまでとします。この続きは,また明日お楽しみに。