こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年4問(民法)肢オを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,予備試験29年第4問【司法試験29年10問】(民法)肢「オ.入会団体の構成員が採枝・採草の収益を行う権能を有する入会地がある場合において,その入会地にA名義の不実の地上権設定登記があるときは,その入会団体の構成員であるBは,Aに対し,入会地におけるBの使用収益権に基づき,当該地上権設定登記の抹消登記手続を求めることができる。」を検討していきましょう。
この肢は,正しいですか,間違ってますか。
なるほど,あってますね。どうでしょうか。
あってますが,答えを見たんですよね。
なるほどっていうか,それだと結局は。
そうでしょうね。実際,肢オがわからなくても肢の並びと組みあわせで,オが誤っていることは分かるのですが・・・。今後のために確認してきましょう。
前回の肢エに続き,入会権ですね。かなり馴染みがないところですね。
入会権は,一定の地域の住民が山林原野を共同に管理し、共同で収益する慣習上の権利として認められています。そこで,構成員Bも不実の登記を行ったAに対して,抹消登記手続によって,入会権を保全できるようにも思えますね。
しかし,判例は,結論としては認めていません。なぜでしょう。
なるほど,確かに入会権の定義にも,「一定の地域の住民」が主体として入ってます。したがって,B以外の住民の存在が前提です。個々に権利を行使されるのは,手続的に問題ですね。
はい,その辺の判断から個人には権利行使ができないとする必要がありそうです。そこで,入会権を住民に総有的に帰属していると構成してみましょう。そうすると,個々の持分はなく,Bが単独では抹消登記手続を請求できないと一応,説明が通ります。
はい,そういうことです。本日も,入会権の問題で,なじみのない難しい問でした。
解答を覚えてしまうと忘れてしまうので,最低限,筋だけ通して押さえるようにしましょう。
では,今日はここまでとします。この続きは,また明日,お楽しみに。