予備試験29年4問(民法)肢オを検討する 第6回 入会権の抹消登記手続

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年4問(民法)肢オを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験29年第4問【司法試験29年10問】(民法)肢「オ.入会団体の構成員が採枝・採草の収益を行う権能を有する入会地がある場合において,その入会地にA名義の不実の地上権設定登記があるときは,その入会団体の構成員であるBは,Aに対し,入会地におけるBの使用収益権に基づき,当該地上権設定登記の抹消登記手続を求めることができる。」を検討していきましょう。

この肢は,正しいですか,間違ってますか。

東花子さん

間違ってます。

なるほど,あってますね。どうでしょうか。

考えている

これも判例があるようです。(最判昭57.7.1)

あってますが,答えを見たんですよね。

東花子さん

まあ,そうですね。

なるほどっていうか,それだと結局は。

考えている

わかりませんね。

そうでしょうね。実際,肢オがわからなくても肢の並びと組みあわせで,オが誤っていることは分かるのですが・・・。今後のために確認してきましょう。

東花子さん

はい,よろしくお願いします。

前回の肢エに続き,入会権ですね。かなり馴染みがないところですね。

東花子さん

そうですね。

入会権は,一定の地域の住民が山林原野を共同に管理し、共同で収益する慣習上の権利として認められています。そこで,構成員Bも不実の登記を行ったAに対して,抹消登記手続によって,入会権を保全できるようにも思えますね。

東花子さん

確かに,そう思います。

しかし,判例は,結論としては認めていません。なぜでしょう。

考えている

B以外の,住民の意思も配慮しているように思いました。

なるほど,確かに入会権の定義にも,「一定の地域の住民」が主体として入ってます。したがって,B以外の住民の存在が前提です。個々に権利を行使されるのは,手続的に問題ですね。

東花子さん

そうですね。相手方もバラバラいわれると困ります。

はい,その辺の判断から個人には権利行使ができないとする必要がありそうです。そこで,入会権を住民に総有的に帰属していると構成してみましょう。そうすると,個々の持分はなく,Bが単独では抹消登記手続を請求できないと一応,説明が通ります。

東花子さん

なるほど,入会権は,住民全員の総有なので,個人が勝手に権利行使するなということですね。

はい,そういうことです。本日も,入会権の問題で,なじみのない難しい問でした。
解答を覚えてしまうと忘れてしまうので,最低限,筋だけ通して押さえるようにしましょう。
では,今日はここまでとします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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