こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年3問(民法)肢ウを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,予備試験29年第3問【司法試験29年6問】(民法)肢「ウ.相続財産に関しては,相続財産管理人が選任された場合でも,相続人が確定するまでの間は,時効は完成しない。」を検討していきましょう。
この肢は,正しいですか,間違ってますか。
なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。
そうですね。条文をみましょう。
(相続財産に関する時効の停止)
第160条 相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
「管理人が選任された時から六箇月を経過するまでの間は,時効は,完成しない。」とあります。
ということは,裏を返せば,管理人が選任されていれば,相続人が確定しない時でも時効が完成しますね。なんででしょうか。
確かにそうですね。そういうときは,大枠から考えましょう。160条の場面で,なぜ時効が停止するのでしょうか。
そうですか。では,質問を変えますが,時効を止めたい場合,債権者は通常どうすれば良いでしょう。
いいですね。差押え、仮差押え又は仮処分(147条2項)など他にも手段はありますが,請求が分かりやすいですね。
そうすると,請求を行うためには,何がわからなければなりませんか。
なるほど,よーく,考えてください。160条との絡みで聞いていますよ。本条は,主体のことをいってますよ。
いいですね。債権者としては,相手が分からなければ請求を立てようがないです。相手が分からないのに,時効が完成するのは,どうでしょうか。
そうですね。その他,停止の規定がいくつかありますが,何らかの理由で,債権者側が請求できない場面を想定すると良いでしょう。
では,ここまで踏まえると,本件のように相続管理人が確定したときは,どうですか。
いいですね。そうすると,債権者は,管理人に対して,請求ができるのではないですか。
良かったです。一見,細かいところも,なぜそうなのかを押えると,覚えやすいです。意味を押えながら,しっかり考えると良いでしょう。
では,これで時間となりましたので,終わりにします。 この続きは,また明日,お楽しみに。