こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験29年第2問【司法試験29年3問】(民法)肢オ「Aの生死が7年間明らかでなかったことから,Aについて失踪宣告がされ,Aが死亡したものとみなされた後に,Aの生存が判明したが,失踪宣告が取り消されずにAが死亡した場合には,もはやその失踪宣告を取り消すことができない」を検討することになりました。結論は,誤っていることは分かったのですが,例によって,なぜかを考えることになりました。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,昨日の続きをいきましょう。確認できるように,条文も載せておきますね。
(失踪の宣告の効力)
民法第31条
前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。
(失踪の宣告の取消し)
民法第32条
1.失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
2. (略)
結局,「死亡」という結果ではなく,「死亡時期」が重要だという話でしたが,なぜか,分かりましたか。
いいところに,着目しました。続けてください。
そうですね。したがって,「異なる時に死亡したことの証明があったとき」でも失踪宣告を取消す必要があります。良くわかりましたね。
いいですね。これで,条文を忘れても,論理的に判断できますね。
よかったです。あと,念のため確認ですが,失踪宣告の取消後はどうなりますか。
そうですね。失踪宣告の制度は,失踪者の死亡を確認できない時に,権利関係を安定させるためでした。
本来であれば,相続は死亡時に発生するのが筋です。なので,真実が分かれば,それに沿った取り扱いをすべきですね。
理解を深めるには,いろいろ考えてみると良いでしょう。引き出しが多ければ,その分,対応力も上がりますね。
確かに,そういう一面もあるかもしれません。しかし,それは,やみくもに押さえていて整理がうまくできていない状況かもしれません。
論理的に押さえていれば,整理ができてますので大丈夫でしょう。そういう意味では,押さえ方も大事にしたいですね。
そうですね。あんまり,ごちゃごちゃ言うと,かえって分かりにくくなります。その位の意識で大丈夫でしょう。
では,今日はこれで終わりします。この続きは,また明日,お楽しみに。