予備試験28年15問(民法)を検討しよう 実践編 第1回

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
今日からは,予備試験28年15問(民法)【司法試験28年33問】を実践的に検討していきます。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。では,早速,問題の検討を始めて行きましょう。
では,問題はこちらです。

共同相続に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

  • ア.共同相続人であるAとBの間で遺産分割協議が成立した場合において,Aがその協議において負担した債務を履行しないときであっても,BはAの債務不履行を理由に遺産分割協議を解除することはできない。
  • イ.共同相続人は,既に成立している遺産分割協議の全部を共同相続人全員の合意により解除した上で,改めて遺産分割協議を成立させることはできない。
  • ウ.共同相続が生じた場合,相続人の一人であるAは,遺産の分割までの間は,相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人Bに対して,自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることはできない。
  • エ.A及びBがCに対して400万円の連帯債務を負担していたところ,Aが死亡し,その妻D及び子Eが相続した場合,Cは,Eに対して,Aの負担していた400万円の債務全額の支払を請求することができる。
  • オ.A,B及びCが共同相続した甲土地の共有持分権をCから譲り受けたDが,A及びBとの共有関係の解消のためにとるべき裁判手続は,遺産分割審判である。

1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ

早速,いきましょう。まず,肢「ア.共同相続人であるAとBの間で遺産分割協議が成立した場合において,Aがその協議において負担した債務を履行しないときであっても,BはAの債務不履行を理由に遺産分割協議を解除することはできない。」からです。どうでしょうか。

考えている

うーん。どうでしょう。

なるほど,少し迷うかもしれません。ここは,保留しておきましょう。次,肢「イ.共同相続人は,既に成立している遺産分割協議の全部を共同相続人全員の合意により解除した上で,改めて遺産分割協議を成立させることはできない。」は,どうでしょうか。

東花子さん

なるほど,これも正直よく分かりませんね。

確かに,よく分からない肢ですね。仕方ないので,ここも保留しましょう。ポイントは,直ぐ次に行くことです。
次,肢「ウ.共同相続が生じた場合,相続人の一人であるAは,遺産の分割までの間は,相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人Bに対して,自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることはできない。」は,どうでしょうか。

花子さん

これは,正しいです。金銭は最後の調整に使いますので。

そうですね。「ウ」の肢は,過去問23-34肢イにもでています。この肢は,即,判断できなければなりません。
そうすると,「1.ア ウ」「5.ウ エ」のどちらかが,正解になりそうです。詳細を復習したい方は,こちらを参照ください。

予備28年第15問肢ウ 第4回

次は,肢「エ.A及びBがCに対して400万円の連帯債務を負担していたところ,Aが死亡し,その妻D及び子Eが相続した場合,Cは,Eに対して,Aの負担していた400万円の債務全額の支払を請求することができる。」ですね。これは,どうでしょうか。

考えている

なるほど,これも正直,迷います。

なるほど,「ア」「エ」どちらかを判断しなければならないのに,両方よく分からない。そういうときは,利益衡量をしていくしかないでしょう。

東花子さん

そうですね。

ここは,いろいろな考え方がありそうですが,比較的「エ」が分かりやすいように思います。例えば,肢「エ」の通り,DEが400万円ずつ相続すると,第三者Cは,債務者の死亡のリスクも負担することなく,むしろ,請求できる相手方が多くなってしまって得しすぎるのではないかと考えられます。

東花子さん

なるほど。

また,通常の連帯債務は,債務者間での共同活動を予定しています。BDEは,共同活動しないでしょう。この点でも,DEに400万円を負担させるのは,酷だと判断できます。
あとは,相続は,分割が通常ですね。

花子さん

そうですね。いろいろな基本知識を総動員して考えると,妥当な結論が導けるように思いました。

はい,なので,肢「エ」が誤りと判断する。こんな感じで,「5.ウ エ」が切れると良いでしょう。肢エについても,従前,検討してます。詳細を確認したい方は,こちらで復習ください。

予備28年第15問肢エ 第5回

この時点で「1.ア ウ」「4.イ オ」が残っていますね。

考えている

はい,ただ,出題傾向からみて,「4.イ オ」は,正解になりずらい。「イ」「ウ」「オ」の3つが正しくなってしまいますからね。

その通りです。時間がなければ,この時点で「1.ア ウ」を正解とすることもありだと思います。
ただ,論理的に,正解を確定したい時もあるかと思います。その場合は,「肢オ.A,B及びCが共同相続した甲土地の共有持分権をCから譲り受けたDが,A及びBとの共有関係の解消のためにとるべき裁判手続は,遺産分割審判である。」を見ます。この肢は,どうでしょう。

考えている

なるほど,これは誤っています。確か,共有物分割手続です。

いいですね。ここは,過去問でも聞かれているので,即答したいところです。
その結果,「4.イ オ」が論理的に切れますので,やはり,「1.ア ウ」が正解となります。もし,正解が出せなかった場合は,こちらより復習ください。

予備28年第15問肢オ 第6回

東花子さん

分かりやすい肢を,確実に切る。そして,分からない肢は保留して,すぐ次に行くのが大事だと改めて思いました。

その通りです。そして,困ったときは,利益衡量をやりましょう。では,今日も時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日お楽しみに。

なお,その他の肢の詳細は,こちらより復習ください。
予備28年第15問肢ア 第2回
予備28年第15問肢イ 第3回



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カテゴリー: 親族相続, 平成28年, 平成28年, 民法, 民法・商法・民事訴訟法 パーマリンク

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