こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
今日からは,予備試験28年11問(民法)を実践的に検討していきます。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。では,早速,問題の検討を始めて行きましょう。
では,問題はこちらです。
契約に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
- ア.贈与は,当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し,相手方が受諾をすることによって,その効力を生ずるから,贈与を受ける者が贈与の申込みをし,相手方がこれを承諾しても贈与の効力は生じない。
- イ.売買契約において瑕疵担保責任を免除する特約がある場合であっても,その当時売買の目的物について瑕疵があることを売主が知りながらその瑕疵があることを告げなかったときには,売主は瑕疵担保責任を免れない。
- ウ.判例によれば,AがB所有の甲建物を賃貸権限を有しないCから賃借している場合において,BがAに甲建物の明渡しを求めたときは,Aは,甲建物を使用収益することができなくなるおそれが生じたものとして,Cに対し,それ以降の賃料の支払を拒絶することができる。
- エ.賃借人が適法に賃借物を転貸した場合において,賃貸人が賃借人に対し賃借物の修繕義務を負うときは,賃貸人は,転借人に対しても直接に賃借物の修繕義務を負う。
- オ.有償の金銭消費寄託契約において,当事者が返還の時期を定めなかったときは,寄託者は,受寄者に対し相当の期間を定めて催告をしなければ,金銭の返還を請求することができない。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
早速,いきましょう。まず,肢「ア.贈与は,当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し,相手方が受諾をすることによって,その効力を生ずるから,贈与を受ける者が贈与の申込みをし,相手方がこれを承諾しても贈与の効力は生じない。」からです。どうでしょうか。
そうですね。これは,容易に判断できると思います。詳細を復習したい方は,こちらも参照ください。
予備28年第11問肢ア 第2回
これで,「1.ア イ」「2.ア エ」が切れます。次は,どの肢を検討しましょう。
そうですね。では,「ウ」を検討しましょう。肢「ウ.判例によれば,AがB所有の甲建物を賃貸権限を有しないCから賃借している場合において,BがAに甲建物の明渡しを求めたときは,Aは,甲建物を使用収益することができなくなるおそれが生じたものとして,Cに対し,それ以降の賃料の支払を拒絶することができる。」は,どうでしょうか。
そうですね。これは,良く出題されているので,即,正しいと判断したいところです。この肢は正解を出す上では,比較的容易です。ただ,論理的にしっかり理解したい肢ですね。
詳細は,以前に検討してます。しっかり,復習したい方はこちらよりご確認ください。
予備28年第11問肢ウ 第4回
これで,「3.イ ウ」「4.ウ オ」のどちらかが,正解となります。
次は,先ほど「ウ」か「オ」と指摘しましたので,肢「オ.有償の金銭消費寄託契約において,当事者が返還の時期を定めなかったときは,寄託者は,受寄者に対し相当の期間を定めて催告をしなければ,金銭の返還を請求することができない。」を検討してみましょう。どうですか。
なるほど,誤りが正解なのですが,現場ではわからないこともありえそうです。自信がないときは,保留が良いでしょう。この機会に,こちらから復習しておいてくださいね。
ただ,方向性として良いのは,判断に困ったとき際に,無理に正誤を決めていないことです。
はい,なので,自身がないときは,直ぐに別の肢を見ましょう。
次は,肢「イ.売買契約において瑕疵担保責任を免除する特約がある場合であっても,その当時売買の目的物について瑕疵があることを売主が知りながらその瑕疵があることを告げなかったときには,売主は瑕疵担保責任を免れない。」です。これはどうでしょう。
そうですね。仮に条文をしらなくても,あえて告げない売主が責任を免れるのは,おかしいという価値判断が働きます。ここは,正しいと判断したいところです。
そうですね。これで大丈夫だと思います。今日のポイントは,難しい肢での勝負は避けて,簡単な肢を見つけるということでした。分からないと思ったら悩まず,すぐに別の肢を読むようにしましょう。
では,今日も時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日お楽しみに。