予備試験28年10問(民法)を検討しよう 実践編 第1回 

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
今日からは,予備試験28年10問(民法)を実践的に検討していきます。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。では,早速,問題の検討を始めて行きましょう。
では,問題はこちらです。

保証に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

  • ア.賃借人の保証人は,賃貸借契約が更新された後の賃料債務についても保証債務を負うが,賃料不払によって賃貸借契約が解除された場合,賃借人が目的物を返還しないことにより賃貸人に与えた損害の賠償については保証債務を負わない。
  • イ.建物賃貸借契約の存続期間中に賃借人の保証人が死亡した場合において,その相続人は,相続開始後に生じた賃借人の債務についても保証債務を負う。
  • ウ.身元保証契約において,使用者が,被用者に業務上不適任又は不誠実な事跡があって,そのために身元保証人の責任を惹起するおそれがあることを知ったときは,使用者は,遅滞なく身元保証人にその旨を通知しなければならない。
  • エ.貸金等根保証契約において元本確定期日がその貸金等根保証契約の締結の日から6年を経過する日と定められている場合,その元本確定期日は,その貸金等根保証契約の締結の日から5年を経過する日となる。
  • オ.根保証契約の元本確定期日前に根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債権が譲渡されたときは,その譲受人は,保証人に対し,当該保証債務の履行を求めることができない。

1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ

早速,いきましょう。まず,肢「ア.賃借人の保証人は,賃貸借契約が更新された後の賃料債務についても保証債務を負うが,賃料不払によって賃貸借契約が解除された場合,賃借人が目的物を返還しないことにより賃貸人に与えた損害の賠償については保証債務を負わない。」からです。どうでしょうか。

考えている

誤っています。契約の目的から考えると,損害の賠償も保証しないと意味がないので。

そうですね。本件の場合は,債務不履行による解除です。トラブルに備えて保証しているので,このような時に債務を負わなければ意味がありません。容易に誤りと判断できます。ただ,法的には,若干,説明が必要となります。詳細については,こちらより復習ください。

予備28年第9問肢ア 第2回

これで,「1.ア イ」「2.ア エ」が切れます。次は,どの肢を検討しましょう。

東花子さん

「ウ」か「オ」です。「3.イ ウ」「4.ウ オ」「5.エ オ」で,「ウ」か「オ」が2つずつ被ってますからね。

そうですね。では,「ウ」を検討しましょう。肢「ウ.身元保証契約において,使用者が,被用者に業務上不適任又は不誠実な事跡があって,そのために身元保証人の責任を惹起するおそれがあることを知ったときは,使用者は,遅滞なく身元保証人にその旨を通知しなければならない。」は,どうでしょうか。

考えている

全くわかりません。身元保証なんて,勉強してないので・・・。

まあ,逆に知っている方は少ないでしょうね。これは,保留でしょう。次に「オ.根保証契約の元本確定期日前に根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債権が譲渡されたときは,その譲受人は,保証人に対し,当該保証債務の履行を求めることができない。」はどうですか。

東花子さん

これも,難しいですね。根保証もあまり勉強していないので。

そういう時は,無理に正解を出さないことです。この問題は,難しいですね。
仕方ないので,ここも保留して,肢「イ.建物賃貸借契約の存続期間中に賃借人の保証人が死亡した場合において,その相続人は,相続開始後に生じた賃借人の債務についても保証債務を負う。」は,どうでしょうか。

考えている

なるほど,この肢も悩ましいですね。ただ,保証人が死亡した時に,地位が相続されないと賃貸人は困ると思います。

確かにそうです。ただ,一方で相続人は,保証人の地位を相続したくないですね。しかし,プラスの財産も相続できますので,都合の悪い点だけ相続しないと解するのは公平でないですね。

東花子さん

そうですね。相続したくない場合は,別途,相続の放棄(938条)の制度もありますからね。

まあ,身元保証など過度に保証の範囲が広いときは別として,一般には権利義務は相続されます。ここは,なんとか正解を導きたいです。ここは,相続人の不利益と,賃貸人の不利益を比較して判断することになると思います。以前の検討を復習したい方はこちら。

予備28年第9問肢イ 第3回

東花子さん

わかりました。でも,この問題は悩ましいです。

そうですね。では,肢「エ.貸金等根保証契約において元本確定期日がその貸金等根保証契約の締結の日から6年を経過する日と定められている場合,その元本確定期日は,その貸金等根保証契約の締結の日から5年を経過する日となる。」はどうでしょうか。

考えている

うーん,これも良くわからないです。本当に難しい。

実際,その感覚が正しいと思います。まとめると,「ア」はすぐ誤りと判断できる。「イ」は,なんとか正しいと判断しうる。「ウ」「エ」「オ」は,良くわからないとなります。そうすると,正解の可能性があるは,「3.イ ウ」「5.エ オ」のどちらかですね。

東花子さん

そうなります。

ここまで来たら,どうしましょう。

考えている

ここまで来たら,出題傾向を信じて「3.イ ウ」をマークするかも知れません。

そうですね。時間との関係で,そのような割り切りも時に必要かもしれません。全部,合わないと合格できないわけではないですから。

東花子さん

ただ,これが,結果的に正解というのも面白いですね。

いいですね。このように,正解をしていても完全に分かっていない場合もあることは押さえておきましょう。難しい問題も分かりそうな肢から,なんとか食らいついていきましょう。では,今日も時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日お楽しみに。

なお,検討していない肢の詳細はこちらをご確認ください。
予備28年第9問肢ウ 第4回
予備28年第9問肢エ 第5回 第6回 第7回
予備28年第9問肢オ 第8回 第9回



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カテゴリー: 平成28年, 平成28年, 民法, 民法・商法・民事訴訟法 パーマリンク

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