こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
今日からは,予備試験27年14問(民法)【司法試験27年29問】を実践的に検討していきます。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。では,早速,検討を始めて行きましょう。
では,問題はこちらです。
婚姻が解消した場合の法律関係に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
- ア.婚姻によって氏を改めた者は,婚姻が夫婦の一方の死亡によって解消した場合であるか離婚によって解消した場合であるかを問わず,婚姻前の氏に戻るが,法定の期間内に届出をすれば,婚姻が解消した際に称していた氏を称することができる。
- イ.婚姻が離婚により終了した場合には,姻族関係は当然に終了するが,婚姻が夫婦の一方の死亡により終了した場合には,姻族関係は生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときに限り終了する。
- ウ.婚姻中の夫婦の間に生まれた子が未成年であるときは,協議上の離婚の際に,父母の一方を親権者と定めなければならず,この定めについては,家庭裁判所の許可を要しない。
- エ.婚姻が離婚により終了した場合には,配偶者の財産分与請求権が認められ,また,婚姻が夫婦の一方の死亡により終了した場合には,生存配偶者の相続権が認められるが,判例によれば,配偶者について認められるこれらの権利は,内縁関係にある者についても類推して認められる。
- オ.判例によれば,協議上の離婚をした夫婦の一方は,相手方に対し財産の分与を請求した場合には,相手方に対し慰謝料を請求することはできない。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ
早速,いきましょう。まず,肢「ア.婚姻によって氏を改めた者は,婚姻が夫婦の一方の死亡によって解消した場合であるか離婚によって解消した場合であるかを問わず,婚姻前の氏に戻るが,法定の期間内に届出をすれば,婚姻が解消した際に称していた氏を称することができる。」からいきます。この肢は,どうでしょうか。
そうですね。なぜでしょうか。
いいですね。この辺りは,条文(751条1項,767条)もありますし,イメージができればわかりそうですので,即判断したいところです。
詳細を復習したい方は,こちら。
予備試験27年14問肢ア 第2回
次は,どうですか。
そうですね。「ア」が誤っている段階で,「1.ア イ」「2.ア エ」が切れる。「3.イ ウ」「4.ウ オ」「5.エ オ」のうち,「ウ」「オ」が2個ずつですからね。この場合は,どちらが先でしょうか。
いいですね。この場合,「ウ」と「オ」をどちらか先に読むかは,好みの問題だと思いますが,「オ」の方が短いですからね。
あまり,長さが変わらないので,この場合は「ウ」が先でも良いとは思いますが,まあいいでしょう。
それでは,「オ.判例によれば,協議上の離婚をした夫婦の一方は,相手方に対し財産の分与を請求した場合には,相手方に対し慰謝料を請求することはできない。」の正誤はどうでしょう。
そうですね。財産分与は,共有財産の精算,慰謝料は,精神的損害などから来るもので,根拠が違いますからね。
離婚原因が,当事者一方にあることを考えるとイメージできます。判例によればとありますが知らなくても,正解は出せそうです。
詳細を復習したい方はこちら。
予備試験27年14問肢オ 第6回
そうすると,「4.ウ オ」「5.エ オ」が切れて,「3.イ ウ」が正解ですね。
これが,理想です。
なお,先に「ウ.婚姻中の夫婦の間に生まれた子が未成年であるときは,協議上の離婚の際に,父母の一方を親権者と定めなければならず,この定めについては,家庭裁判所の許可を要しない。」を検討すると,どうでしょう。
そうですね。まあ,家庭裁判所の許可は,後見的な役割ででてくるイメージです。夫婦の話し合いで決まれば,不要なのは,なんとなくわかりますが。本番では迷うかもしれません。そうすると,結局,肢ウを先に検討しても,肢オで正誤を判断して正解を出すことになりそうです。
大事なことは,確実にいけないときは,無理に正誤を判断しないことです。分かりやすい肢を探して,そこで判断することが得策だと思います。この感覚は,実際に答練で身に付けるしかないですね。
はい,では,今日は,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日お楽しみに。
検討をしなかった肢は,こちらより復習ください。