こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
今日からは,予備試験27年7問(民法)【司法試験27年13問】を実践的に検討していきます。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。では,早速,問題の検討を始めて行きましょう。
では,問題はこちらです。
Aが,A所有の甲動産を占有するBに対し,所有権に基づく甲動産の引渡請求訴訟を提起したところ,Bは,Aの夫Cから質権の設定を受けその質権を即時取得した旨の反論をした。この場合に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
- 1.占有者が占有物について行使する権利は,適法に有するものと推定されるから,Bは,質権の即時取得の成立を基礎付ける事実を主張・立証する必要はない。
- 2.Bは,Cとの間で質権設定の合意をし,その合意に基づいてCから甲動産の引渡しを受けたことを主張・立証する必要がある。
- 3.Bは,質権の被担保債権の発生原因事実を主張・立証する必要はなく,Aが,質権の被担保債権の消滅原因事実を主張・立証する必要がある。
- 4.Bは,Cに甲動産の所有権がないことについてBが善意であることを主張・立証する必要はないが,Bに過失がないことを主張・立証する必要がある。
早速,いきましょう。まず,肢「1.占有者が占有物について行使する権利は,適法に有するものと推定されるから,Bは,質権の即時取得の成立を基礎付ける事実を主張・立証する必要はない。」からですね。
まあ,結論はあってますが,ごちゃごちゃしてますね。
そうですね。時間が,かかりそうな肢は飛ばすのが大事です。
肢「2.Bは,Cとの間で質権設定の合意をし,その合意に基づいてCから甲動産の引渡しを受けたことを主張・立証する必要がある。」は,どうでしょうか。
そうですね。即時取得(192条)は,取引安全を保護する制度です。質権は,要物契約なので,保護に値する取引が行われたかがポイントなりますね。これは,比較的,解答が出しやすそうです。
もし,解答が出せなかった場合は,こちらより復習ください。
予備試験27年7問肢2 第3回
なるほど,そうかもしれません。ただ,即時取得の趣旨を理解すれば大丈夫でしょう。まあ,質権の即時取得は,あまり考えないので不安もあるでしょう。肢2が正解だと思って,他の肢もざざっと,見てみましょう。
肢「3.Bは,質権の被担保債権の発生原因事実を主張・立証する必要はなく,Aが,質権の被担保債権の消滅原因事実を主張・立証する必要がある。」は,どうでしょう。
なるほど,取引の存在については,即時取得者が主張立証しなければいけないと考えるとどうでしょう。
そうですね。肢2と肢3を見ると,即時取得を主張する者が,取引行為に関して主張・立証すべきであることを聞いています。
いいですね。そこまで見えていれば,自信を持って肢2と判断できるはずです。ただ,一応,肢「4.Bは,Cに甲動産の所有権がないことについてBが善意であることを主張・立証する必要はないが,Bに過失がないことを主張・立証する必要がある。」も確認しましょうか。
そうですね。ここは,基本的な部分なので,即,判断したいです。復習したい方は,こちらをご確認ください。
予備試験27年7問肢4 第5回
うーん,出題者の意図が確実に見えていて,肢2が正解だと分かっているので,肢1を検討するのは,時間の無駄でしょう。ですので,今回の実践編では,検討は割愛します。
詳細を復習した方は,こちらを確認ください。
予備試験27年7問肢1 第2回
そうですね。時間が足りなくなる人は,下手なところで時間を使っていると思います。見切りをつける力をつけましょう。
では,本日は,この位にしておきます。この続きは,また明日,お楽しみに。