こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験27年3問(司法試験27年6問)を改めて実践的に検討することになりました。
では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。では,早速初めて行きましょう。
前回からの続きですね。では,問題はこちらです。
消滅時効の中断に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
- 1.時効期間が経過する前に,被保佐人である債務者が保佐人の同意を得ることなくその債務を承認した場合,その債権の消滅時効は中断しない。
- 2.時効期間が経過する前に,債権者が第三者に債権を譲渡し,債務者がその債権の譲渡について債権の譲受人に対し承諾をした場合,その債権の消滅時効は中断する。
- 3.時効期間が経過する前に,債務者が債権者の代理人に対し支払猶予の申入れをした場合,その債権の消滅時効は中断する。
- 4.時効期間が経過する前に,債務者が債権者に対し債務の承認をした場合,被担保債権について生じた消滅時効中断の効力を,その債権の物上保証人が否定することは許されない。
早速,いきましょう。まず,「肢1.時効期間が経過する前に,被保佐人である債務者が保佐人の同意を得ることなくその債務を承認した場合,その債権の消滅時効は中断しない」です。この肢の正解は,わかりますか。
なるほど,良く勉強されてますね。どうして,わかったのですか。
なるほど,それは,現実的ではありません。この肢は,156条があるのですが,結構,知らない方が多いように思います。
無理に,正誤を判断してはいけません。別のわかる肢から判断しましょう。すぐに,飛ばして「肢2.時効期間が経過する前に,債権者が第三者に債権を譲渡し,債務者がその債権の譲渡について債権の譲受人に対し承諾をした場合,その債権の消滅時効は中断する」を読みたいですね。
はい,それでは,肢2はどうですか。
そうですね。すぐ分かることに越したことはないのですが,いきなり出されると,現場では,そうなるかもしれません。
そういう場合はパッと保留して次にいきましょう。次は,「肢3.時効期間が経過する前に,債務者が債権者の代理人に対し支払猶予の申入れをした場合,その債権の消滅時効は中断する。」ですが,これはどうですか。
そうですね。猶予を申し入れているということは,債権の存在を前提としてます。したがって,債権者の期待を保護して時効が中断することになります。ここは,すぐに分かってもらいたいところです。そうすると,少なくとも肢3は正解ではありません。
もし,復習したい方は,こちらをご確認ください。
予備試験27年2問肢3 第8回
それでは,次の「肢4.時効期間が経過する前に,債務者が債権者に対し債務の承認をした場合,被担保債権について生じた消滅時効中断の効力を,その債権の物上保証人が否定することは許されない。」は,どうでしょうか。
そうですね。肢4が正しいことも,すぐに判断したいです。そうすると,少なくとも肢4も正解でないですね。詳細を確認したい場合は,下記で復習くださいね。
予備試験27年2問肢4 第9回
はい,その通りです。もちろん,肢1で,すぐに判断できれば,それで良いのでしょうが,難しい場合は,すぐに次,次といって,簡単な肢を先に切るのは非常に大事なことです。
いいですね。全体で時間管理が考えられるようになってきました。ですので,早く正解できる問題に時間を使うことは非常に良くないです。
予備試験27年1問,予備試験27年2問を復習したい場合はこちらを,ご参照ください。
予備試験27年1問 第1回 第2回
予備試験27年2問 第1回 第2回
そうです。実際,そんな流れになるでしょう。では,肢1,肢2の判断は,明日,一緒に考えていきましょう。それでは,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日お楽しみに。