こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験28年14問(民法)肢エを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,予備試験28年14問(民法)【司法試験28年30問】肢「エ.AとBが離婚し,BがCの親権者となった後に,BがDと再婚し,CがDの養子となった場合には,BとDがCの親権者となる。」を検討していきます。事実関係は,夫婦であるAとBの間に未成年の子Cがいる場合です。
この肢は,どうですか。
なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。
なるほど,では,条文を確認しましょう。
(親権者)
民法第818条
1. 成年に達しない子は、父母の親権に服する。
2. 子が養子であるときは、養親の親権に服する。
3.親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。
(離婚又は認知の場合の親権者)
民法第819条
1.父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。
2~6 (略)
親権の規定はこれですが,DはCと養子縁組したので,親権を行使することは分かるのですが,Bにも親権はあるのですか。
結論は,そうですが,BはCの実親であって,養親ではありませんが・・・。通常,養子縁組したら実親の親権はなくなるのではないでしょうか。
なるほど,では,次の条文も確認してみましょう。
(配偶者のある者が未成年者を養子とする縁組)
民法第795条
配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない。ただし、配偶者の嫡出である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。
本件のBCDの関係は,795条ただし書前段に当たりませんか。
そうです。では,なぜ,795条ただし書前段が規定されているのでしょう。
その通りです。未成年の子の福祉のため,配偶者がいれば共同で養子縁組を行うのが原則です。しかし,795条ただし書前段のように,すでに,配偶者と子に嫡出関係がある場合,養親とすると関係がおかしくなるので,縁組を不要としてます。
そうですね。まあ,BCDは共に生活するでしょうから,CDが養子縁組して,BDで共同親権を行使するというのは,外形上,自然のように思います。養子縁組をした場合に,実親の親権が消えるのは,完全に養親に養子を渡した場合ですね。
いいでしょう。正直,ここ細かく考えなくても,イメージすれば常識的に回答できますが,少しだけ関連知識に触れてみました。
この機会に,押さえてみてください。では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。