予備試験28年14問(民法)肢ウを検討する 第7回 婚姻の際の父母の同意(民法737条) その2

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こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験28年14問(民法)【司法試験28年30問】肢「ウ.Cが18歳である場合には,Aが死亡し,その後にBの親権が停止されたときでも,Cは,Bの同意を得れば婚姻をすることができる。」を検討することになりました。事実関係は,夫婦であるAとBの間に未成年の子Cがいる場合です。民法737条によれば,未成年者が婚姻する際は,父母の同意が必要なのが原則で,親権の有無は関係ないという点を確認しました。それは,父母には子への愛情が期待されるからと説明されるのですが,果たして,本件ではどうでしょうか。
では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。Aが死亡していて,Bの親権が停止された場合に生じうる問題は,わかりましたか。

考えている

自信がありませんが,考えてきました。

そうですか。では,聞かせてもらえますか。

東花子さん

そうですね。親権の停止がされている親に同意を認めると未成年の子の婚姻の自由が不当に害されるように思いました。

なるほど,いいですね。どうして,そう思いましたか。

東花子さん

はい,親権停止の制度が児童虐待を背景に制度設計されたことを前回確認しました。

そうですね,続けてください。

東花子さん

そのような親に同意権を与えると,同意をしない可能性があるように思いました。

なるほど,でも,それは通常の場合でも同じじゃないですか。

東花子さん

あれ,そうですね。間違えたかな。

うーん,そもそも,未成年者の婚姻の際に父母に同意を必要とした意味は,何でしょうか。

考えている

確か,父母に愛情が期待できるからでした。あっ,分かりました。親権停止の背景にある児童虐待をしている親が,子に愛情を持っているか,何とも言えないですね。

そうですね。恐らく,わざわざ問いで親権停止を問題文で挙げている理由だと思います。もちろん,問に事実がないので定かではありません。しかし,親権停止制度の制度目的から,親子の愛情があるのかという疑問が生じるわけです。

考えている

なるほど,間違った愛情ゆえに親権が停止されているか,そもそも愛情がないのかよく分かりませんが,少なくとも親子関係を離す必要がある利益状況は,親権停止から読み取れます。

そうです。父母の両方がいれば民法737条2項で,最悪,片方で足りるのでしょうが,本件では,Aは死亡しているので,Bから同意をもらうしかないという点が最大の問題点です。

東花子さん

本肢で,Aが死亡している事情も,見事に使えますね。

しかし,結果は,やはり肢の通り,そういった場合でもCの婚姻は,Bの同意が必要としてます。

考えている

そうですね。ここは,難しい問題だと思いますが,具体的なケースを考慮すると運用上の問題が生じるからでしょうか。

いい指摘です。取扱いがバラバラになってしまいますね。737条は,身分関係に関わる取り決めですので,画一的に処理したいです。

東花子さん

はい,ですので,やむを得えないと思いました。

そうですね。当面は,その結論で良いと思います。まあ,いろいろ身分関係は,個別の事情を踏まえると問題点が生じます。しかし,画一的に処理する方向性で押えておくと,概ね試験としては,正答が出せるように思います。
では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。

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