こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験28年11問(民法)【司法試験28年22問】肢「オ.有償の金銭消費寄託契約において,当事者が返還の時期を定めなかったときは,寄託者は,受寄者に対し相当の期間を定めて催告をしなければ,金銭の返還を請求することができない。」を検討することになりました。消費寄託は,666条1項で消費貸借の条文が準用されることはわかったのですが,666条2項で,591条1項の適用がないことを確認しました。
話の流れで,591条1項の意味も確認することになったのですが,東さん考えることができましたかね。
では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。昨日の宿題,考えてこられましたか。
そうですか。早速,やってみましょう。検討する条文を忘れないように,条文も載せておきますね。
(返還の時期)
民法第591条
1.当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。
2.(略)
なぜ,消費貸借の場合は,貸主は,相当の期間を定める必要があるのでしょうかね。
おおいいですね。どうして,借主はすぐに返せないのでしょうか。
なるほど,金銭を持っていれば,わざわざ借りる必要性はないですね。ただ,実際は,取引の自由があります。したがって,手持ちがあっても借りる人はいるでしょうから,東さんの指摘は必須ではないでしょうね。まあ,一般的には,ないから借りるというのは感覚的になじみます。
そうですね。それは,そうだと思います。いいですね,続けてください。
その通りですね。借りている物を借主は消費してしまっているはずです。なので,いきなり返せと言われて,直ぐに借主が返さなかったら債務不履行になるのは,いきすぎですね。
非常に,いいです。591条1項がなければ,412条3項が適用されて催告時に履行遅滞になってしまいます。そこを修正してますね。 良く整理できました。
(履行期と履行遅滞)
民法第412条
1.(略)
2.(略)
3.債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。
そうすると,昨日の復習ですが,消費寄託で,期限の定めがなければ,いつでも寄託者が返還請求できる理由もハッキリしますね。
そうですね。よくできました。これで,本肢に関する疑問点も十分整理できましたね。
肢を検討する際には,関連条文も併せて検討すると効率的です。ぜひ,意識して見ましょう。
では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。