予備試験28年5問(民法)肢オを検討する 第7回 占有改定・指図による占有移転と即時取得

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験28年5問(民法)肢オ「Aは,甲をBに賃貸していたところ,Bが甲をCに寄託した。その後,BがAに無断で甲をDに売却するとともに,Cに対し以後Dのために甲を占有するように命じた。Dは,甲がBの所有物であると過失なく信じて,Cによる甲の占有を承諾した。この場合,Aは,Dに対し,甲の返還を求めることができる。」を検討することになりました。「甲は,Aの所有するカメラ」です。
検討の際,占有改定には,即時取得が成立しないという点を確認しました。指図による占有移転は,即時取得は成立するのですが,なぜ占有改定と結論が異なるのかを考えることになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,昨日の続きですが,占有改定について即時取得が成立しない理由は分かりましたか。

考えている

うーん,占有改定の場合,外形上,目的物の占有の移転がないからでしょうか。

なるほど,どこかで聞いたような説明をしてますね。なぜ,移転がないことが問題なのですか。

東花子さん

あれ,どうしてだろう。よく分かりません。

いやいや,それは,なんとなく押えているで良くないです。外形上,目的物の占有移転がないということは,取引がなかったことと区別できますか。

東花子さん

できませんね。そうか,占有改定に即時取得を認めると,取引がないのにあったと,でっち上げる危険があります。

そうですよ,実際に取引があったかが分からないのに即時取得を認めては,本権利者はあまり害されます。また,仮に取引があったとしても,本権利者から見たら目的物の全く占有が動いておりません。勝手に占有改定による引渡しをした者が相手方の即時取得の成立を理由に目的物の引渡しを拒めるのは,やはり違和感があります。

考えている

なるほど,だから占有改定には即時取得が認めないと判断しているのですね。

はい,それで筋は通ります。そうすると,本肢の指図による占有移転も,占有改定と同じ利益状況があると思いませんか。

東花子さん

確かに,指図による占有移転も外形上,目的物の占有が受寄者から移っていないですね。

そうですね。本肢では,受寄者Cから,外形上,甲の占有が移ってません。ここを強調すると,Aは,Dに対して即時取得は成立していないといえそうです。

東花子さん

そうか,ようやく占有改定と指図による占有移転を比較している意味がわかりました。

良かったです。ただ,指図による占有移転に関しては,即時取得が成立しますね。

東花子さん

そうですね,なんででしょう。

ここは,考えて見たいです。結局,目的物を直接,占有しているのが取引の当事者ではなく第三者である点が大きいと思いますよ。

考えている

少し,ピンと来ません。

なるほど,ここは,いろいろ考えがありそうですが,第三者がいると,取引に客観性がでてくると思うのですよ。

考えている

確かに,それはそうです。本当に取引のある可能性が,高いということでしょうか。

まあ,そうでしょうね。第三者(寄託者)には,嘘をつくような理由は通常,なさそうです。この辺りは,指図による占有移転について,即時取得を成立できる方向で考慮できます。また,本権利者Aから見ると外形的に甲はCに移転してます。ここを見れば,外形的に移転はあるともいえそうです。

東花子さん

確かに,全く動いていないわけではないです。だから,Dの取引安全を保護できると考えているのですね。良くわかりました。イメージが大事だと改めて思いました。

良かったです。結局,一見細かいようなところも,考えてみると意外と押えやすいです。
具体的に考えた結果,しっくり来ると忘れにくいですよ。ぜひ,活用して見てください。
では,今日は,ここで終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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カテゴリー: 物権, 平成28年, 民法・商法・民事訴訟法 パーマリンク

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