こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験28年5問(民法)肢アを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,予備試験28年第5問(民法)肢「ア.Aは,甲をBに賃貸していたところ,CがBの家から甲を盗み,Dに売却した。Dは,甲がCの所有物であると過失なく信じて,現実の引渡しを受けた。この場合,Bは,甲を盗まれた時から2年以内であれば,Dに対し,甲の返還を求めることができる。」を検討していきます。
この肢は,どうですか。
なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。
そうですね。確認してきましょう。
(即時取得)
民法第192条
取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
(盗品又は遺失物の回復)
民法第193条
前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。
確かに,条文を見ると193条で,返還を求めることができますね。
そうですね。あと,Dは,売買で甲がCの所有物であると過失なく信じて,現実の引渡しを受けているので,前条の場合(192条の場合)にあたります。このように193条で,返還を求めることができるのはわかるのですが・・・。
いいですね,だいぶ,検討の方向性が見えてますね。では,早速ですが,193条の意味を考えてみましょう。
そうですね。まあ,遺失主は落としたことに落ち度があるじゃないかと言えばそうかもしれませんが,さすがに,それを落ち度とすることは可哀そうです。盗品の被害者も,さすがに落ち度が小さいです。
被害者も,遺失主も,その物について気づいていないところで,目的物の占有がなくなっていますね。
いいですね。被害者または遺失主を一定程度,保護するというのは,2年間ということをいっているのでしょうか。
はい,そんなところで,大丈夫ですね。やはり,条文を押さえる時は利益状況をイメージすると押さえやすいです。この調子で継続的頑張っていきましょう。
では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。