こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験28年4問(民法)肢3を検討することになりました。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,予備試験28年第4問【司法試験28年6問】(民法)肢「3.Aがその所有する甲土地をBに賃貸し,Bが甲土地を自動車の駐車場として利用していたところ,甲土地の賃借権の登記がされない間に,AがCに対し甲土地を売却した場合において,CがAからの甲土地の所有権移転登記を経由していないときは,Bは,Cからの甲土地の明渡請求を拒むことができる。」を検討していきます。
この肢は,どうですか。
なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。
そうですね。結論はあっているのですが,少し説明してもらえますか。
本件Cが,Bに対して行う甲土地の明渡請求が認められるには,甲土地についてC所有とB占有が必要ですね。
ただBは,Cの前所有者Aから甲土地を借りています。そこで,賃借権を理由にCの請求は拒めますでしょうか。
その通りですね。それはなぜでしょうか。
そうですね,良く理解してます。本件Bは自動車の駐車場として利用しており,賃借権の登記を具備してません。したがって,賃借篇は債権として契約当事者であるAにしかいえませんね。そうすると,Cは登記なくても,Bは保護に対しないとして土地明渡請求できるように思うのですが・・・。
確かに,結論から考えるとそうですね。ただ,しっかり説明したいです。結局,対抗要件の抗弁がBからCにいえるということですが,どう説明しましょうか。
そうですね。177条を改めて確認しましょう。
(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
民法第177条
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成16年法律第123号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
この177条の第三者は,不動産の取引安全を図る趣旨から,当事者及び包括承継人以外で登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者となりますが,どういった意味でこの要件にBがあたるのでしょうか。
なるほど,いいですね。だから,Cが甲土地の登記を具備していない場合は,Bは明渡請求を拒めます。はい,これで,本肢も無事,検討ができました。
では,ちょうど時間となりましたので,本日はここで終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。