予備試験28年2問(民法)肢アを検討する 第2回 無権代理人の責任(民法117条)

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験28年2問(民法)肢アを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験28年第2問【司法試験28年4問】(民法)肢「ア.無権代理行為の相手方は,代理人が代理権を有しないことを過失によって知らなかったときは,民法上の無権代理人の責任を追及することができない。」を検討していきます。

この肢は,どうですか。

考えている

正しいですね。

なるほど,あってますね。どうして,そのように考えるのでしょうか。

東花子さん

たしか,無権代理人の責任は,無過失責任だったような気がします。

そうですね。条文も確認してみましょう。

(無権代理人の責任)
民法第117条
1.他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2.前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。

なるほど,特に117条は,代理人自身の帰責事由は書いておりません。
ただ,過失責任が一般なので,無権代理人にも過失が必要なのではという議論が成り立ちそうです。

考えている

うーん,そうかもしれませんが,やはり無権代理人を過失責任とすると問題だと思います。

結論としては,あってますが,なぜ問題なのかを説明してください。

東花子さん

うーん,どうでしょう。

そうですか。その辺りを意味づけておかないといけません。抽象的に押えていても忘れてしまいますよ。
無権代理の場合,本人に対する法律効果は発生しますか。

東花子さん

追認がない限りは,発生しないのが筋になります。

そうすると,取引の安全に対して,重大な問題が発生することになります。
無権代理人は,原因を作っているので,過失がないことを理由に責任を免れるのは問題だという価値判断がありそうです。

考えている

そうか,そもそも,無権代理行為を行うことが,取引上,非常にまずい。ですので,そういった問題がなるべく生じないように無権代理人の責任も無過失責任という形で重くしているのですね。

はい,また無権代理人の損害賠償責任を無過失責任とすることで,代理制度の信用にもつながりそうです。代理の相手方は,いざという時に保護されやすくなりますから。
このような形で,無権代理の責任は,無過失責任と意味づけをすると押えやすいでしょう。結論を出す上では,この位で良いと思うのですが,117条2項で相手方の要件が修正されてますね。
こちらも,ついでに確認しましょう。

東花子さん

なるほど,法は,無権代理人の請求できる相手方を善意無過失に限定します。これは,無権代理人の責任が無過失責任として重くする反面,相手方を限定しているということでしょうか。

そうですね。良い指摘です。特に保護すべき相手方に限定することで,無権代理人の責任を無過失責任することとのバランスを図っております。
ここも,別途,出題される可能性がありますので,ぜひ,押えておきましょう。

では,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



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