予備試験27年14問(民法)肢ウを検討する 第4回 家庭裁判所の許可の意味を考える(民法819条1項,民法798条を題材にして)

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験27年14問(民法)肢ウを検討することになりました。では,はじまり,はじまり。

東花子さん

スク東先生,こんにちは。

こんにちは,東さん。早速,予備試験27年第14問【司法試験27年29問】(民法)肢「ウ.婚姻中の夫婦の間に生まれた子が未成年であるときは,協議上の離婚の際に,父母の一方を親権者と定めなければならず,この定めについては,家庭裁判所の許可を要しない。」を検討していきます。

この肢は,どうですか。

考えている

正しいですね。

そうですね。どうして,そう考えるのでしょうか。

東花子さん

うーん。条文にあったと思います。

なるほど,そうですね。条文を確認して見ましょう。

(離婚又は認知の場合の親権者)

第819条
1.父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。

確かに,「家庭裁判所の許可」がないのでその通りですね。しかし,本番では条文が見れません。例によって,意味を考えて見ましょう。なぜ,家庭裁判所の許可はいらないのでしょうか。

東花子さん

良くわかりません。

なるほど,家庭裁判所の許可が要らない理由を直接,考えるのは難しいかもれません。いらないのが一般的でしょうから。
このような時は,むしろ,どういった場合に許可がいるかを考えて,本件の場合は,必要な時に当たるかを考えるのが良さそうです。では,改めて,どういった場合に,家庭裁判所の許可が必要性ですかね。

東花子さん

うーん。

なるほど,いきなり抽象的に聞かれてもわかりませんよね。そういった時は,実際に家庭裁判所の許可がいる場合を具体的に探して,そこから考えてみると良いです。例えば,どういった内容が条文にありますか。なんでも,いいですよ。

東花子さん

では,798条は,どうでしょう。

なるほど,未成年者を養子にする条文ですね,一緒に内容を確認してみましょう。

(未成年者を養子とする縁組)
第798条
未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。ただし、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は、この限りでない。

確かに,798条本文には,家庭裁判所の許可の規定があります。では,どうして,この場合に,家庭裁判所の許可が必要なのでしょうか。

東花子さん

たしか,子の福祉のためという理由があったと,うっすら思い出してきました。

おお,いいですね。それが,家庭裁判所の許可を要する理由です。では,具体的にどのような意味で,子の福祉を図る意味があるのでしょうか。

東花子さん

そうですね。養子を行うと,子にとっては,親権者が養親に変わります。親権は,できるだけ実親が行使した方が子の成長を図る上で望ましいです。ですので,子のために後見的に家庭裁判所が慎重に必要性を判断するのだと思います。

良いと思います。子も,立場が弱いので無理に意思表示してしまうこともありえます。また,子が15歳未満のときは,代諾養子縁組(797条1項)もできますので,余計に後見的に判断する必要性がありますね。

東花子さん

私人により,子の成長を図る上で望ましくない判断がなされることを防止するのが,家庭裁判所の許可の意味なんですね。わかりました。

はい,概ね,それで大丈夫です。ここで,話を本題に戻しますが,これで,本肢の場合に家庭裁判所の許可がいらないという理由もわかりますね。

東花子さん

はい,肢ウは,婚姻中の父母に生まれた未成年者の子とありますので,どちらも子にとっては実親です。どちらにも,子への愛情もできます。そのため,子の成長を図る上で,家庭裁判所の許可を必要とする場面ではないと思いました。

そういうことです。だから,家庭裁判所の許可は,ここでは,不要と判断できます。同じことを,先ほどの798条ただし書からも読み取れますよ。

花子さん

そうか,確かに自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は,血のつがなりもあるので,一定程度,愛情も期待できます。ですので,子の成長上も問題が小さいですね。

はい,家庭裁判所の許可に関しては,こんなところで良いでしょう。あと,話が前後してしまいましたが,819条1項にある通り,協議上の離婚の際は親権をどちらか一方を定めなければなりません。
これは,未成年者のために,法定代理人を明確にする必要があるからです。また,多くの場合,離婚後の父母は共同生活を行いません。したがって,親権者を単独にすることで,子のために迅速に意思決定できるようにするためと考えられます。

東花子さん

そうですね。また,離婚の際に協議で共同親権を認めてしまうと,共同か単独かで取扱いを分けなければなりません。このことは,子の法律関係が複雑になり問題だと思いました。

いいですね。東さんのご指摘の通り,子や第三者から見た理由づけであれば,当事者の合意で共同親権に決められないとする意味もしっくりきます。とにかく,自分なりに意味づけることが大事だと思います。
はい,この肢は,こんなところで良いでしょう。では,今日も,時間となりましたので,終わりにします。この続きは,また明日,お楽しみに。



あなたの,1票が日々の力となります。ぜひ,お役立ていただいた際には,クリックにて応援のほど,よろしくお願いします。

広告
カテゴリー: 親族相続, 平成27年, 平成27年, 民法, 民法・商法・民事訴訟法 パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中