こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから
<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験27年7問(民法)肢「4.Bは,Cに甲動産の所有権がないことについてBが善意であることを主張・立証する必要はないが,Bに過失がないことを主張・立証する必要がある。」を検討することになりました。本問の事実関係は,「Aが,A所有の甲動産を占有するBに対し,所有権に基づく甲動産の引渡請求訴訟を提起したところ,Bは,Aの夫Cから質権の設定を受けその質権を即時取得した旨の反論をした。」です。では,はじまり,はじまり。
こんにちは,東さん。早速,昨日の予備試験27年第7問民法肢「4.Bは,Cに甲動産の所有権がないことについてBが善意であることを主張・立証する必要はないが,Bに過失がないことを主張・立証する必要がある。」を検討していきましょう。正しいですか。間違っていますか。
そうですね。あってます。どうして,そう考えるのでしょうか。
なるほど,あってますので,自信を持っていいですよ。192条の条文を確認しましょうか。
第192条
取引行為によって,平穏に,かつ,公然と動産の占有を始めた者は,善意であり,かつ,過失がないときは,即時にその動産について行使する権利を取得する。
「取引行為によって」「甲動産の占有を始めた」の中身が,本件では,質権でした。これは,肢2,肢3で聞かれてましたね。
あとは,平穏・公然・善意の要件ですが,これは,186条1項で推定されております。
第186条1項 占有者は,所有の意思をもって,善意で,平穏に,かつ,公然と占有をするものと推定する。
その通りです。これが,肢4前半の「Bは,Cに甲動産の所有権がないことについてBが善意であることを主張・立証する必要はない」の中身です。後半の「Bに過失がないことを主張・立証する必要がある。」については,どうでしょうか。無過失については,186条1項で,推定が及んでおりませんね。
おお,いいですね。その通りです,条文も確認しましょう。
第188条 占有者が占有物について行使する権利は,適法に有するものと推定する。
民法は,法律上の権利推定を認めることで,占有に公信力を与えてますね。
そうですね。これが,肢1で問われた法律上の権利推定の効果です。本問は,肢1~肢4まで,関連づけられた流れで構成されてます。
さすがに,現場の受験生は,それどころじゃないと思いますが,検討の際は,ぜひ関連付けて押えたいところです。
ぜひ,問題を深く検討してもらいたいと思います。では,今日も,時間となりましたので,終わりします。この続きは,また明日,お楽しみに。