予備試験27年3問(民法)肢2を検討する 第7回 債権譲渡の承諾と時効中断の承諾(民法467条と民法156条) その2

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,予備試験27年3問肢2「時効期間が経過する前に,債権者が第三者に債権を譲渡し,債務者がその債権の譲渡について債権の譲受人に対し承諾をした場合,その債権の消滅時効は中断する」を検討しました。検討の結果,467条が譲受人に対しても有効,承諾の性質が観念の通知であることは理解できました。
それをもとに,改めて,肢を検討することになったのでした。では,はじまり,はじまり。

東さん,こんにちは。早速,前回の続きから行きましょう。467条の「譲渡」の法律効果は,債務者への対抗要件であることは,前回,確認しましたね。

東花子さん

はい,確定日付があるときは,第三者にも対抗できました。

確認ですが法的効果として,対抗要件の効果と時効中断の効果は全く別ですね。

東花子さん

そうですね。

はい,ですので,467条の法律効果は,観念の通知として発生しても,時効中断の効果は,やはり別なので発生しないとも考えられると思うのです。

考えている

むしろ,それが自然に思います。

もちろん,時効中断の承諾も観念の通知として,中断の効果も認めるのですが,結局は譲受人(債権者)と債務者のいずれを保護するかという,価値判断の問題だと思うのです。

東花子さん

なるほど,道徳的な視点ですね。

そうですね,どちらを勝たせるかという結論の妥当性ですね。そうすると,譲受人(債権者)が,債務者より保護すべきという価値判断が正解になってます。

東花子さん

時効中断を認めるということは,そういうことですね。うーん,どうしてだろう。

こういう時は,イメージすると良いです。まず,譲受人(債権者)からは考えて,譲渡の承諾に時効中断の効力が生じないとすると,時効消滅ギリギリで債権譲渡がされた場合,別途,譲受人は,時効に関する手続をとらなければならなくなり手続的に煩雑になります。この結論は,債権の取引の迅速性が害され不都合ですね。

考えている

なるほど。そうですね。

一方で,債務者の時効の援用の期待は,そこまで大きくない。

東花子さん

債務者は,義務を履行するのが大前提だからでしょうか。

そうですね。債務者は,債権者から権利行使がなくても自主的に債務を履行することが望ましいです。利息や遅延損害金は,間接的に債務者の履行を促していることからも想像できます。

考えている

確かに。

ですので,譲受人(債権者)を債務者より保護すべき利益状況がある。そこで,467条1項「承認」も156条「承認」も観念の通知だから,同時に効果が発生すると理屈付けているように思います。

東花子さん

なるほど,難しいことも道徳的な結論に合わせようとしている。だから,具体的にイメージして解けとおっしゃっているのですね。

そうですね。細かいことを分からなくても,時効の場面では,債務者の時効援用の期待は,保護の要請は低かったなと押えておれば,なんとか正解はすると思います。
難しい解説は,後知恵です。現場で正解を出している多くの方も,難しいことを考えて正解を導いていないことを,ぜひ知っていただきたく思います。

では,時間となりましたので,終わりにします。次回は,肢3です。また,明日,お楽しみに。



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