715条の「事業の執行について」の解釈 第2回 問題の所在と制度趣旨

こんにちは,スク東ブログへようこそ。まずは,前回までのあらすじから

<前回までのあらすじ>
花子さんは,「事業の執行について」の解釈を検討してしました。例によって問題の所在をスク東先生に聞かれましたが,花子さんは悩んでいました。

715条の被用者の加害行為が使用者の事業の執行についてされたものであることは,その加害行為が外形からしてあたかも被用者の職務の範囲内とみられる場合を含むとされますが,問題の所在わかりますか。

考えている

なんでしょうかね。うーん。

東さん,悩んでおりますね。715条の文言は,どうですかね。

東花子さん

そうですね,「事業の執行について」とのみあります。

はい,そうすると判例が外形上も含むといっているということは,問題となった事案は事業の執行の範囲内だったのでしょうか?

東花子さん

なるほど,実際は事業の執行の範囲内でなかったと思います。

そうですね。なぜ,そう思われましたか。

東花子さん

実際も事業の執行の範囲内であれば,判例もわざわざ外形上も含むなんて判断はしないからです。

その通りですね。そこが問題の所在ですね。文理上も,「事業の執行について」という書いてある以上は,実際もそうである必要があると読めますからね。

東花子さん

そうですね,やはり条文が大事です。

でも,判例は外形上も含むとしてますね。これを考える際には,どのあたりから,あたりをつけましょうか。

考えている

なるほど,715条の制度趣旨ですね。

おお,分かってきましたね。それでは,715条の使用者責任って,そもそも何で規定されているのでしょうか。

東花子さん

たしか,報償責任だったと記憶しております。あとは,代位責任でしょうか。

おや,あってますね。不法行為は,苦手じゃなかったでしたっけ。

花子さん

昨日からの問題ですので調べていました。

そうですか。簡単に報償責任を説明すると,使用者は被用者を使って利益を得ている以上,損失も負担するのが公平だという話でしたね。

東花子さん

はい,そうでした。だから,不法行為の場合は,使用者も被用者に代わって被害者に対して責任を負うべきですね。

第三者が本人に代わりに本人が負うべき責任を負うのが代位責任ですね。通常は,個人責任の709条で不法行為責任は,加害者のみが負うのですが・・・。

考えている

都合のいいときだけ,使用者は,被用者と別人だからと逃げるのは,被害者の保護から許さないということですね。

よく,押えております。また,利益状況を考えると,使用者に責任を負わせることが損害の公平な分担であるということもありますね。
では,715条の規定の意味は,これで良いとして,なぜ外形上で判断するのですかね。実際に事業の執行でないなら,使用者からすれば被用者を使っていないので,そこでは利益を上げていないですね。

東花子さん

確かに,実際に利益を上げていない以上,損失も負担しないのが公平のように思います。なんでだろう。

そうですね。ここは,利益状況を具体的に考えてもらいたいので,時間をとりましょう。では,ちょうど時間となりましたので,終わりにしたいと思います。
この続きは,明日お楽しみに。



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