賃借人がいる建物の賃貸人の地位の移転と賃借人の承諾の要否(解説編その4)

こんにちは。スク東先生ブログにお越しいただきありがとうございます。

早速,昨日に問いかけをいたしました賃借人がいる建物の賃貸人の地位の移転と賃借人の承諾の要否の法的な説明について,本題に入っていきます。
(詳細は賃借人がいる建物の賃貸人の地位の移転と賃借人の承諾の要否(解説編その3)参照)

<法的な説明>

「賃貸人が賃借人に対して負う債務は,所有権者であれば,だれでもできる没個性的な債務である」との説明が法的な観点からの理由になります。

なぜ,この説明が,法的に債権者である賃借人の承諾が不要になる理由となるのか,いまひとつ理解が難しいと思うので,解説します。

<解説>

まず,免責的債務引受を引受人と債務者で行う際に,一般的に債権者の承諾が必要なのは,債務者の責任財産の変更により,債権者が害されるからです。
(詳細は,賃借人がいる建物の賃貸人の地位の移転と賃借人の承諾の要否(解説編その2)参照)

しかし,本件の賃貸人が賃借人に負う債務は,所有権者であれば,だれでもできる以上,目的物の所有権が,債務者たる賃貸人の責任財産にある限り,賃借人が賃貸人にもつ債権の実現可能性が大きく変わりません(いわば,没個性的)。よって,この場合は,債権者である賃借人は,法的な保護が必要なまで害されない。したがって,債権者の承諾をなしに,免責的債務引受を認めることも,法解釈上,許されるという説明になります。

要は,免責的債務引受が,一般に,債務者と引受人で行う際に,債権者の承諾を必要としているのは,債権者に迷惑がかけるからである。したがって,逆をいえば,債権者に迷惑をかけない場合にまで,債権者の承諾を必要とするものではないですよということです。

これで,4回にわたって,説明をしてきましたが,賃借人がいる建物の賃貸人の地位の移転と賃借人の承諾の要否の問題は,クリアです。
一つ一つの知識を正確に理解して組み合わせるのは,大変だと思いますが,ぜひ,このブログを参考にして,論理的に押えていただければ,幸甚です。

<次回予告>

最後に,建物の新所有者が,賃貸人として,賃借人に賃料を請求する場合に,177条の登記が必要かという論点があります。これを機になぜ,そのような論点が存在するかを考えていただければと思います。明日は,この論点に触れていきたいと思います。

では,時間となりましたので,終了させていただきます。今日も,勉強頑張ってください。



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