賃借人がいる建物の賃貸人の地位の移転と賃借人の承諾の要否(解説編その3)

こんにちは,本日もスク東先生ブログにお越しいただきありがとうございます。
本題に入る前に昨日からの流れを簡単に確認します。

<昨日からの流れ>

賃借人がいる建物の賃貸人の地位の移転は,免責的債務引受の側面がある。免責的債務引受は,一般に債権者の承諾が必要である。しかし,賃貸人の地位の移転に関しては,債権者である賃借人の承諾は不要である。賃借人の承諾を必要とすると,賃貸人の所有権の処分が害される結果,建物賃貸借契約の締結に消極的になってしまう恐れがある。このことは,社会にとって不都合だからであるということまで説明いたしました。

その後,法的な説明をして,結論の妥当性を図る必要がある。なぜか,その説明が必要があるか?という問いかけで昨日は終了しております。では,本題に入っていきます。

<法的な視点から結論の妥当性を図る必要がある理由>

社会にとって不都合性あるという理由は,いわば,「道徳」の問題です。法治国家では,「道徳」の問題があったとしても,法的に整合性をとらなければ権力を行使できません。
例えば,人の物を盗むことは「道徳」的に悪いことは明らかですが,国家としては刑法235条の「窃盗罪」が成立するから,刑事責任を追及できるのです。民事責任についても,これにしかりです。いわゆる「道徳」と「法律」の問題。
このように,法律がなければ国家として何もできないわけです。また,少し前にドローンが社会的に問題となりましたが,法律の整備がないために,一時,国家としてなにもできなかったことを想起するとわかります。

要は,法的論理的帰結を貫いたときの道徳上の問題を指摘するだけではダメで,最後にその理屈を法的に説明して,事案を初めて解決がなしうるのです。もちろん,法律を解釈するときは,道徳に沿うことが望まれます。この点はぜひ,理解してください。

では,法的に説明する必要は分かったとして,どのように,この問題を法的に説明するのでしょうか。この点について,明日,検討いたしたいと思います。ぜひ,理由を考えて見てください。

最後に,ヒントを出させていただきます。そもそも,免責的債務引受を債務者と引受人で行う際は,債権者の承諾が必要ですが,なぜ,債権者の承諾が必要だったのでしょうか。この点は,少し前に,このブログでも説明しました。そこから考えていただけると良いと思います。

それでは,暑い日がつづきますが,勉強頑張ってください。



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